空家・相続不動産

相続した空家はどうすればいい?5つの解決策を気仙沼の司法書士が解説

相続した実家が空家になってしまった…あなたはどうしますか?

「親が亡くなって、実家が誰も住まない空家になった。でも、どうすればいいか分からない。」

そんなお気持ちを抱えていませんか?

気仙沼市・南三陸町・陸前高田市など東北の地方では、人口減少と高齢化が重なり、相続によって空家になる家が急増しています。令和5年の調査では、全国の空家は約900万戸にのぼり、特に地方ほどその割合が高くなっています。

「とりあえず、今は何もしなくていいか」と思っている方もいるかもしれません。しかし、空家を放置し続けることには、実はとても大きなリスクがあります。

  • 特定空家に認定されると、固定資産税が最大6倍になる可能性がある
  • 令和6年4月から相続登記が義務化され、放置すると過料(罰金)が科されるリスクがある
  • 草木の繁茂や建物の傾き・崩壊で、近隣の方に迷惑をかけてしまうことがある
  • 市区町村から行政指導を受けたり、最悪の場合は強制的に解体される(行政代執行)こともある

だからこそ、「どうするか」を早めに決めることがとても大切です。

この記事では、空家を「どうするか」の選択肢を5つに整理して、それぞれをわかりやすくご説明します。また、空家問題に関連する法改正の全体像をまず把握したい方は、空家・相続不動産の法改正ロードマップ(2015〜2026年)もあわせてご覧ください。

「なんとかしなければ」と思っていても、なかなか動けない理由

「早く何とかしたい」と思いながらも、なかなか一歩が踏み出せない。そんな方から、当事務所にはよくご相談が届きます。

じつは、空家問題を前に動けなくなってしまう方には、共通した3つの「壁」があります。

(1)名義がまだ亡くなった方のままになっている

不動産を売ったり、活用したりするためには、まず「名義変更(相続登記)」が必要です。でも、相続人が複数いると遺産分割協議書を作らなければならないし、古い戸籍を全国各地から集めなければならないことも。「何から手をつければいいのか」と立ち止まってしまう方がほとんどです。

令和6年4月から相続登記が義務化されたため、「そのままにしておこう」という選択は、法律上もリスクのある状況になってきています。詳しくは相続登記の義務化とは?令和9年3月末が期限・10万円の過料を避ける対応法をご覧ください。

(2)どんな方法があるのか、よく分からない

空家の解決策には、売る・国に返す・壊す・空家バンクに登録する・貸すなど、複数の方法があります。それぞれに向いている状況があって、物件の場所や状態、相続人の意向によって最適な手段は変わってきます。

「ネットで調べてもよく分からない」「誰に聞けばいいのかも分からない」と感じていらっしゃる方、多いのではないでしょうか。

(3)税金のことが複雑で、損をしているか分からない

空家を売るときに使える「3,000万円の控除(空家の特例)」や、市区町村の解体補助金など、うまく使えば大きな節税になる仕組みがあります。しかし、要件が細かくて「自分の家は使えるの?」と判断が難しいのも事実です。

知らないまま売ってしまって、あとから「特例を使えたのに……」と後悔するケースが実際に存在します。事前に確認することが、とても大切です。

はじめまして。元市役所税務課・元法務局登記官の司法書士です

気仙沼岩渕法務事務所の代表、岩渕一徳(いわぶち かずのり)と申します。司法書士・行政書士・宅建士として、地域の皆様の不動産・相続に関するお悩みをトータルにサポートしています。

「税務課で8年、家の評価をしていた」からこそ分かること

以前、気仙沼市役所の税務課で、固定資産税・家屋評価を8年間担当していました。「どんな家が特定空家になるのか」「名義を変えないとどんな影響があるのか」を、実際の税務実務の現場から理解しています。

「もし特定空家に認定されたら、この家の固定資産税はいくらになるの?」という質問に、具体的な数字でお答えできるのは、この経験があるからです。固定資産税計算ツールも公開していますので、ご相談時にぜひ一緒に確認しましょう。

「法務局の登記官」として審査していたからこそできること

その後、仙台法務局・盛岡地方法務局で登記官として勤務し、登記の調査・審査を担当してきました。「どんな書類が足りないか」「どこで手続きが詰まりやすいか」を、審査する側として見てきたからこそ、不備なく・スムーズに手続きを進めることができます。

空家の出口戦略5選:あなたの空家はどれが合っている?

では、具体的な5つの方法をご紹介します。まずは全体像を表で確認してから、それぞれの詳細をご覧ください。

方法こんな空家に向いている主なメリット注意したいこと
①売却(特例活用)旧耐震基準・更地化できる最大3,000万円の節税が可能令和9年末の期限あり
②国庫帰属売れない農地・山林・遠方の土地完全に手放せる審査要件・負担金あり
③解体して更地売却建物が老朽化・価値がない買い手がつきやすくなる固定資産税増・解体費に注意
④空家バンク登録農村・古民家・地方物件移住希望者とつながれる買い手が決まるまで時間がかかることも
⑤賃貸・リノベーション活用立地・状態が比較的良好継続収入が生まれる初期投資・管理の手間が必要

それでは、それぞれの方法について、「どんな方に向いているか」「何に気をつけるべきか」を詳しくお伝えします。

方法① 「空家の特例(3,000万円控除)」を使って売却する

相続した実家を売るとき、「空家の特例」という節税のしくみが使えるかもしれません。一定の要件を満たせば、売却益から最大3,000万円が控除されます。たとえば、売って1,000万円の利益が出たとしても、この特例が使えれば税金がゼロになることもあるのです。

ただし、すべての空家に使えるわけではありません。国税庁が定める主な要件を確認してみてください。

  • 昭和56年5月31日以前に建てられた建物であること(旧耐震基準の建物。マンション等の区分所有建物は対象外)
  • 相続してから売るまでの間、事業用・貸付用・居住用に使っていないこと
  • 売る前に耐震改修をするか、建物を解体して更地にして売ること(令和6年以降は、売却後に翌年2月15日までに解体・耐震改修を行う場合も対象)
  • 相続した日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 令和9年(2027年)12月31日まで(この制度自体の期限)

令和6年改正のポイント

令和6年1月1日以後の譲渡では、相続人が3人以上いる場合、一人あたりの控除上限が3,000万円から2,000万円に引き下げられています。相続人が2人以下であれば引き続き最大3,000万円の控除が適用されます。
兄弟姉妹が3人以上で実家を相続したケースでは、上限が下がることになります。ご自身の状況が当てはまるかどうか、必ず税理士にご確認ください。

「うちの実家は使えるだろうか?」と気になる方は、税理士にご確認されることをお勧めします。特例の適用は税務上の判断が必要になるためです。当事務所では信頼できる税理士をご紹介することも可能ですので、まずはお気軽にお声がけください。

方法② 「相続土地国庫帰属制度」で、国に引き取ってもらう

「売りたくても売れない」「使い道もない」「管理するのも大変」…そんな土地を、国(法務局)に引き取ってもらえる新しい制度が、令和5年(2023年)4月にスタートしました。「相続土地国庫帰属制度」といいます。

特に、遠方の農地・山林・田舎の土地など、なかなか買い手がつかない土地で活用されるケースが増えています。「とにかく手放せれば、管理の悩みが終わる」という方に選ばれています。

ただし、誰でも・どんな土地でも使えるわけではありません。主な要件を確認しておきましょう。

  • 相続または遺贈によって取得した土地であること(購入した土地は対象外)
  • 建物が建っていない、更地の土地であること
  • 抵当権などの担保が設定されていないこと
  • 境界が曖昧な土地や、土壌汚染がある土地は原則対象外

申請が通ると、土地の面積に応じた「負担金」を一度支払い、その後は国に帰属します。当事務所は法務局での実務経験があるため、必要書類の準備から申請まで一括してサポートできます。

▶ 相続土地国庫帰属制度 負担金シミュレーションはこちら

方法③ 建物を解体して「更地」にし、売却・活用する

老朽化が進んだ建物を解体して更地にすることで、土地の売れやすさが大きく改善されることがあります。「古い建物があって買い手がつかない」という土地でも、更地にすることで問い合わせが増えるケースは少なくありません。

ただし、解体を決める前に必ず確認してほしいことが2つあります。

まず、固定資産税が上がる可能性です。住宅が建っている土地には「住宅用地特例」という優遇があり、固定資産税が最大6分の1に抑えられています。建物を壊して更地にすると、この優遇がなくなり、固定資産税が一気に上がることがあります。解体する前に、税額がどう変わるかをシミュレーションしておくことが大切です。

次に、解体費用の確認です。木造一戸建て30坪程度の場合、解体費用の目安はおおよそ100万〜300万円程度です(構造・規模・廃材量・地域によって大きく変動します)。このコストと、更地にした後の売却見込み価格を比較してから判断しましょう。

気仙沼市・南三陸町・陸前高田市などでは、空家解体に関する補助金を用意している場合があります。「補助金を使えれば費用が抑えられるかも」という方は、まず各市区町村の担当窓口に直接お問い合わせいただくのが確実です。ただし、補助金の申請には相続登記が完了していることが前提になることが多いため、登記手続きについては当事務所にご相談ください。

方法④ 「空家バンク」に登録して、移住希望者に使ってもらう

「売るのは少し惜しいけれど、誰かに使ってもらえればうれしい」という方に向いているのが、空家バンクへの登録です。

空家バンクとは、市区町村が運営する「空家と移住希望者をつなぐ」マッチングサービスです。気仙沼市や南三陸町でも導入されており、都市部から移住を考えている方が物件を探しています。

近年、「田舎での暮らし」「古民家での生活」に憧れる方は確実に増えています。うまくマッチングできれば、大切な実家を誰かに活用してもらいながら、地域の活性化にもつながります。

ただし、空家バンクへの登録には、名義変更(相続登記)が済んでいることが前提です。「まだ名義が亡くなった親のまま」という方は、登記手続きから始める必要があります。

方法⑤ リノベーションして賃貸・店舗として活用する

立地がよく、建物の状態もそれなりに良好な場合は、賃貸住宅や店舗として活用することで、継続的な収入を生み出すことができます。

気仙沼・南三陸エリアでは、古民家をゲストハウス・民泊・カフェとして改装して活用する事例も出てきています。国や自治体の補助金(空き家改修補助金など)をうまく使えば、初期投資を大きく抑えられることもあります。

この方法が向いているのは、たとえばこんな状況です。

  • 市街地や駅・主要道路に近く、需要が見込める立地にある
  • 柱や基礎など建物の骨格がしっかりしていて、大規模な修繕なしで活用できる
  • 相続人全員が同意しており、物件の管理を担当できる方がいる

一方で、賃貸は入居者との契約管理・定期的な修繕・空室リスクなど、継続的な手間も生じます。「活用してみたいが、どこから始めればいいか」という方は、まず地元の不動産業者にご相談されることをお勧めします。賃貸・売買に関する具体的な取引は不動産業者が専門です。当事務所では、賃貸借契約に伴う登記手続きや、相続登記がまだの方の名義変更をサポートします。

先延ばしにするほど、選択肢は減っていきます

「もう少し様子を見てから」と思っていると、気づかないうちに選べる手段が狭まっていきます。

たとえば、相続登記をしないまま時間が経つと、相続人が何十人にもなってしまうことがあります(亡くなった相続人の子どもが代わりに権利を持つため)。全員の印鑑と同意が必要になると、手続きが極めて困難になります。

また、「空家の特例(3,000万円控除)」には令和9年12月31日という期限があります。この期限を過ぎると、たとえ同じ条件で売却しても特例は使えません。

さらに、建物は年を経るごとに老朽化が進みます。解体費用は増え、売却できる価格は下がり、特定空家として認定されるリスクも高まっていきます。

空家の放置がもたらす具体的なリスクについては、空き家を放置するとどうなる?固定資産税6倍・損害賠償・相続の3大リスクで詳しくまとめています。「今すぐ売りたいわけではないけど、どうしたらいいか確認したい」という方こそ、早めにご相談ください。

よくあるご質問

名義変更(相続登記)がまだ終わっていませんが、相談できますか?

もちろんです。「まず名義変更から」という段階でのご相談が、一番多いです。相続登記の手続きから、売却・活用の方針決めまで、一括してサポートします。「何から話せばいいか分からない」という状態でも、丁寧にお話をお聞きします。

相続人が遠方に住んでいて、全員と連絡を取るのが大変です。

相続人の一人が窓口になってくださるだけで構いません。遺産分割協議書の作成や書類のやり取りのサポートもいたします。遠方の相続人がいる場合の対応方法についても、初回相談でご説明します。

住所変更登記もまだ済んでいないのですが、一緒に対応できますか?

はい、相続登記と合わせてご対応できます。令和8年(2026年)4月までに住所変更登記の義務化も始まります。詳しくは住所等変更登記の義務化を気仙沼の司法書士が解説|5万円の過料リスクとは?をご参照ください。なお、法務局のシステムで自動対応される「スマート変更登記」についてはこちらの記事でも解説しています。

解体補助金や空家バンクはどこに相談すればいいですか?

補助金・空家バンクともに、まずは各市区町村の担当窓口にお問い合わせください。ただし、申請には相続登記が完了していることが条件になる場合がほとんどです。登記手続きについては当事務所にご相談ください。

>>相談時間や相談方法など、その他の「一般的なよくあるご質問」については、こちらをご覧ください。

まとめ:空家の出口戦略、どれが合うかは「状況」で変わります

この記事では、空家の主な出口戦略5つをご紹介しました。最後にポイントをまとめます。

  • ①特例売却:節税しながら売りたい方。旧耐震基準の建物で、令和9年末までに動けるなら最有力の選択肢です。
  • ②国庫帰属:売れない農地・山林を完全に手放したい方。要件と費用を確認してから進めましょう。
  • ③解体更地売却:老朽化が進んで建物価値がない場合に有効。税金と費用のシミュレーションを必ず事前に。
  • ④空家バンク:地域に残したい・移住者に活用してもらいたい方。まず相続登記を完了させることが先決。
  • ⑤賃貸・リノベーション:立地と建物状態が良ければ、継続収入も期待できます。管理の手間も考えて判断を。

どの方法が最適かは、物件の状態・立地・相続人の状況などによって異なります。「自分の場合はどれが合うの?」と思ったら、まずは一度ご相談ください。当事務所では、空家・相続不動産の法改正ロードマップをもとに、最新の法制度と地域の補助金情報を組み合わせながら、あなたに合った道筋をご提案します。

まずは無料相談で、あなたの空家に合った「次の一手」を一緒に考えましょう

「実家をどうしたらいいか分からない」「名義変更すら始められていない」という段階でも、まったく問題ありません。当事務所では、現在の状況を丁寧にお聞きしながら、あなたに合った選択肢をわかりやすくご説明します。

元市役所税務課・元法務局登記官という実務経験を活かし、法律・税金・行政の手続きをワンストップでお手伝いします。「何から話せばいいか分からない」という方も、どうぞ安心してご連絡ください。

 本記事の情報について

本記事は投稿時点における法令・税制に基づいて作成しています。税法や不動産に関する法律は頻繁に改正されるため、記事の内容が現時点の情報と異なる場合があります。実際の手続き・申告・判断に際しては、必ず最新情報を国税庁・法務局・各市区町村の窓口でご確認いただくか、税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。

初回無料相談受付中!

「こんなことを聞いていいのかな?」という段階でも構いません。
状況整理から、丁寧にお話を伺います。

今すぐ、お気軽にお電話ください。

担当者が丁寧に分かりやすく対応いたします。

📞 0226-24-2021

【営業時間:平日9:00〜18:00(休日:土日祝日)】

※上記営業時間外でも、私の業務用携帯電話に転送になります。

※ご予約をいただければ、土日祝日や夜間でも対応いたします。

メールでのお問い合わせはこちら

LINEでのお問い合わせはこちら

司法書士 岩渕一徳

-空家・相続不動産