コラム 不動産登記

住所等変更登記の義務化を気仙沼の司法書士が解説|5万円の過料リスクとは?

あなたの不動産、登記簿の住所は今も「引越し前のまま」になっていませんか?

相談者
相談者
家を買ってから何度か引越しをしたけど、不動産の登記住所を変えた記憶がない…
相談者
相談者
法務局から「住所等変更登記の義務化」の案内が届いたけど、何をすればいいか分からない
相談者
相談者
「住所変更登記をしていないと罰金になる」と聞いて心配です

こうしたご状況をお持ちの方に、急いで知っておいていただきたい重要なお知らせがあります。

令和8年(2026年)4月1日から、住所等変更登記が法律上の「義務」となりました。住所変更後2年以内に登記を申請しなければならず、正当な理由なく怠ると、5万円以下の過料の対象となる可能性があります。

特に注意が必要なのは、令和8年4月1日より前に住所が変わっていた場合でも、まだ変更登記をしていなければ義務化の対象になるという点です。「住民票を変えたから大丈夫」という思い込みが、今回の義務化でリスクになるケースが多く見られます。

ただし、慌てる必要はありません。便利な「スマート変更登記(職権登記申出制度)」を使えば、手続きをほぼ自動化することもできます。この記事では、元法務局登記官・元市役所職員の司法書士・岩渕一徳が、制度の内容から具体的な対応方法まで丁寧にお伝えします。

「変更登記をしなければ」と思いながら、なかなか動けない3つの理由

住所等変更登記の必要性を感じながらも、具体的な行動に踏み出せずにいる方には、共通した「3つのハードル」があります。どれか一つでも当てはまるなら、この記事がきっとお役に立てます。

(1)そもそも「不動産登記の住所変更が別途必要」と知らなかった

引越しをされた際、市役所の窓口で住民票の住所変更をされた方は多いと思います。しかし、不動産登記の住所変更は、法務局での別の手続きです。住民票を変えても、法務局の登記簿の住所は自動的には変わりません。「住民票は変えてあるから大丈夫だと思っていた」——これは多くの方が経験される誤解です。

(2)「何から手をつければいいか」「費用はいくらか」が分からない

「変更証明書が必要」「登録免許税がかかる」など、初めて見る専門用語が並んで戸惑うことがあります。「司法書士に頼むといくらかかるのだろう」という不安から、なかなか相談に踏み出せない方も少なくありません。当事務所では初回相談は完全無料です。費用の確認だけでも、お気軽にご相談ください。

(3)平日に法務局や市役所に行く時間がなかなか取れない

住民票は市役所の窓口、登記申請は法務局と、どちらも平日の日中が基本です。仕事をしながら複数の窓口をまわるのは、思っている以上に大変です。「書類が足りない」「記載に誤りがあった」となれば、再度窓口に出向く必要も出てきます。こうした手間と時間のコストを考えると、専門家に一括でお任せいただくほうが結果的に効率的です。

はじめまして。気仙沼岩渕法務事務所の司法書士・岩渕一徳です

はじめまして。宮城県気仙沼市で司法書士・行政書士として活動している、岩渕一徳(いわぶち かずのり)と申します。

私は開業前の約22年間、気仙沼市役所と法務局(仙台法務局・盛岡地方法務局)の両方に勤務してきました。市役所では市民課・税務課・用地課などを担当し、法務局では登記官として権利の登記・表示登記の調査審査を担当しました。

「登記を審査する側」の立場を経験しているため、どのような書類が必要で、どんな不備が起きやすいかを内側から知っています。これが補正なし・スピードを実現した申請につながっています。

当事務所の略歴

・元気仙沼市役所勤務(16年):市民課、税務課(家屋評価8年)、用地課
・元法務局勤務(約6年):登記官(権利・表示登記の調査審査)、人権擁護調査救済係長、総務係長(遺言書保管制度管理)
・資格:司法書士、行政書士、宅建士、AFP(2級FP技能士)
・気仙沼市生まれ・気仙沼市在住(地元密着)

住所等変更登記の義務化とは?元登記官の司法書士がわかりやすく解説します

ここでは、住所等変更登記の義務化の内容について、専門用語をできるだけかみ砕いてわかりやすく解説します。

そもそも「住所等変更登記」とはどんな手続きですか?

土地や建物などの不動産を持つと、法務局に「登記」という記録が作られます。この登記には所有者の氏名と住所が記録されています。引越しや会社の移転などで住所が変わったとき、この登記簿上の住所も変更する手続きが「住所等変更登記」です。

重要:住民票と登記簿は別物です

住民票の住所変更(市役所での手続き)と、不動産登記の住所変更(法務局での手続き)は、全くの別手続きです。
住民票を変えても、登記簿の住所は自動的には変わりません。
「住民票は変えてあるから大丈夫」という思い込みが、今回の義務化でリスクになります。

義務化はいつからですか?対象となる変更はどれですか?

令和8年(2026年)4月1日から施行されました。所有権の登記名義人は、住所等に変更があった日から2年以内に変更登記を申請しなければなりません(不動産登記法第76条の5)。

施行前の変更にも要注意

令和8年4月1日より前に住所が変わっていた場合でも、まだ変更登記をしていなければ義務化の対象です。
ただし2年間の猶予期間があります。令和10年3月31日までに申請すれば過料の対象にはなりません。
例)10年前に引越しして登記の住所を変えていなかった場合 → 令和10年3月31日までに申請すればOK

義務に違反するとどうなりますか?過料の仕組みを解説します

正当な理由がないのに変更登記の義務を怠った場合は、5万円以下の過料の対象となる可能性があります(不動産登記法第164条第2項)。「過料」とは行政上の罰金のようなもので、刑事罰(前科)ではありませんが、裁判所が金額を決定して支払いを命じる公的な制裁です。

いきなり罰則にはなりません――催告の仕組みについて

義務に違反したからといって、いきなり裁判所に通知されるわけではありません。法務省の運用方針(令和7年10月30日付 法務省民二第915号通達)により、次のような手順が定められています。

過料に至るまでの流れ

【STEP1】登記官が義務違反を把握

【STEP2】所有者に「催告書」を書留郵便で送付(「変更登記をしてください」という通知)

・催告に応じて変更登記をした場合 → 過料通知は行わない ✓
・正当な理由なく申請しなかった場合 → 裁判所へ過料通知 → 裁判所が過料の金額を決定

つまり、催告を受けた後でも速やかに対応すれば過料を回避できます。催告を待たずに自発的に対応することが最善ですが、万が一催告が来ても、慌てずに速やかに申請や申出を行ってください。

登記官が催告を行うきっかけはどんな場合ですか?

登記官はむやみに調査するわけではなく、次の2つの場合に限って義務違反を把握し、催告を行います(令和7年10月30日付通達 第3・2)。

  • 所有権の登記名義人が「表示に関する登記」(建物の増改築・滅失など)を申請した際、申請書の住所が登記記録の住所と食い違っていたとき
  • 法務局が住基ネット照会で住所変更を確認し、職権登記の意思確認通知を送ったにもかかわらず、所有者が登記を拒否したり期限までに回答しなかったとき

「正当な理由」があれば過料にならないケースとは

催告に応じなかった場合でも、次の事情があれば「正当な理由」として過料通知は行われません(同通達 第3・3)。

  • 検索用情報の申出または会社法人等番号の登記がされているが、職権での変更登記がまだ行われていない場合
  • 行政区画の変更等(市町村合併や番地変更など)によって住所が変わった場合
  • 義務を負う者自身に重病その他これに準ずる事情がある場合
  • DV被害者等であり、生命・心身に危害が及ぶおそれがある状態にあって避難を余儀なくされている場合
  • 経済的に困窮しているために登記に要する費用を負担する能力がない場合

「申出をしておけば後はおまかせ」スマート変更登記(職権登記)を活用しましょう

住所等変更登記の義務を履行するための便利な「近道」があります。それが「スマート変更登記」と呼ばれる制度です(正式名称:職権による住所等変更登記、不動産登記法第76条の6)。この制度を使うと、法務局が住基ネットを通じて住所変更を確認し、所有者の了解を得た上で自動的に変更登記をしてくれます。費用(登録免許税)は無料です。

個人の場合:検索用情報の申出(令和7年4月21日から申出可能)

① 生年月日等の「検索用情報」を法務局に申し出る(オンラインまたは書面・無料)
② 法務局が定期的に住基ネットを照会して住所変更を確認(2年に1回以上)
③ 住所変更が確認されたら本人への意思確認(メールまたは書面)を経て、職権で変更登記が完了
★ 一度申し出ておけば、後の住所変更も継続して自動対応されます

法人の場合:会社法人等番号の登記(令和6年4月1日から申出可能)

① 会社法人等番号を不動産登記簿に登記する(申出はオンラインで簡便・無料)
② 商業・法人登記システムで法人の住所変更が登記されると、自動的に通知が来る
③ 職権で不動産登記簿の住所変更が完了(義務を履行したものとして扱われる)
★ 令和6年4月以前から不動産を所有している法人も申出可能です

この制度を利用しておくと、将来にわたって住所変更の登記が自動で対応される「仕組み」ができ上がります。引越しのたびに法務局に出向く手間が省けるため、ぜひ活用をご検討ください。当事務所でも申出の代行をお受けしています。

スマート変更登記の申出方法や手順については、当事務所の解説記事もあわせてご参照ください。→ 法務局のスマート変更登記とは?住所変更登記の義務化と手続き不要になる新制度を気仙沼の司法書士が解説

そもそも、なぜ住所等変更登記の義務化が始まったのですか?

日本では現在、「所有者不明土地」の問題が深刻化しています。登記簿上の住所が古いままで所有者と連絡が取れない土地が全国各地に存在し、その面積は九州全体に匹敵するとも言われています。こうした社会問題を解決するため、令和3年に「民法等の一部を改正する法律」が成立し、相続登記の義務化(令和6年4月1日施行)とあわせて、住所等変更登記の義務化(令和8年4月1日施行)が決定されました。

当事務所が住所等変更登記を全力サポートする理由

当事務所が住所等変更登記のサポートをご提供できる理由は、単に「司法書士だから」というだけではありません。法務局と市役所の両方を経験した、元登記官・元市役所職員という独自のバックグラウンドがあるからです。

元登記官だからこそ、不備ゼロ・スピード対応が可能です

代表・岩渕は仙台法務局および盛岡地方法務局で約6年間、登記官として権利の登記・表示登記の調査審査を担当してきました。「審査する側」の立場を経験しているため、申請書のどこに不備が生まれやすいか、どう書けば補正なく通るかを内側から熟知しています。一般の方が陥りがちなミスを最初から回避した申請が可能です。

元市役所職員として、書類収集も一括でお任せいただけます

住所等変更登記には住民票の取得が必要です。複数回の引越しがある場合は、住所の変遷を証明する戸籍の附票なども必要になることがあります。代表・岩渕は気仙沼市役所の市民課で戸籍・住民票の実務を約5年間担当してきました。書類収集から登記完了まで一括でお任せいただけます。

ワンストップサービスで、次のステップまでまとめて解決できます

司法書士・行政書士・宅建士の資格を活かし、登記手続きだけでなく、相続手続き全般・遺言書作成・成年後見・不動産取引まで、ワンストップで対応できます。「住所変更登記の手続き中に、別の相続の問題が発覚した」というケースでも、改めて別の専門家を探す必要はありません。

料金について

住所等変更登記の費用は、「登録免許税」(国に納める税金)と「司法書士報酬」(当事務所への報酬)の2つで構成されます。ご依頼前に必ず見積書をお出しし、ご納得いただいてから業務を開始します。

住所変更登記の料金目安

内容料金種別金額
住所変更登記報酬10,000円(税込11,000円)〜
登録免許税1,000円×不動産の数
スマート変更登記申出代行報酬10,000円(税込11,000円)〜
登録免許税無料(非課税)★

※ 不動産が2筆以上の場合、1筆追加ごとに1,100円(税込)の報酬加算となります。
※ 登記事項証明書の取得・登記記録事前確認の実費(520円・330円等)は別途発生します。
※★ スマート変更登記(職権登記)の登録免許税は非課税です。

料金に関する当事務所の方針

・初回相談:完全無料(費用確認だけのご相談でもOK)
・2回目以降の相談:30分 5,000円(税込5,500円) ※ご依頼いただいた場合は相談料を報酬に全額充当
・ご依頼前に必ず見積書を提示し、ご納得いただいてから業務開始
・追加費用が発生する場合も、事前説明なく請求することはありません
・土日・夜間対応可(要予約)

今すぐ対応が必要な理由――放置するリスクについて

「まだ猶予期間があるから大丈夫」とお考えの方も多いかもしれません。しかし、以下の理由から早めの対応を強くおすすめします。

① 義務化の施行は令和8年4月1日。すでにスタートしています

令和8年4月1日を過ぎた今、住所変更後2年の義務の時計は既に動いています。施行前の変更についても令和10年3月31日が猶予期限の目安です。「そのうちやろう」と先延ばしにしているうちに、期限が過ぎてしまうリスクがあります。

② 建物の増改築・不動産売却の際にトラブルになる

建物の増改築等を行うときに「表示に関する登記」を申請します。このとき、申請書の住所が登記簿の住所と一致しない場合、登記官から義務違反を把握される端緒になります。また、不動産を売却する際には、登記名義人の現住所との一致が必要です。「売ろうと思ったら住所が違ったままだった」という事態を避けるため、早めの対応が安心です。

③ 相続が発生してから困ることがある

不動産の所有者が亡くなった後、住所が古いままだと相続人が手続きをする際に余分な手間がかかることがあります。元気なうちに住所を正しく更新しておくことで、ご家族への負担を軽減できます。

④ 法務局からの意思確認通知が来てからでは遅い場合がある

スマート変更登記の申出がある場合、法務局は2年に1回以上住基ネットを照会します。照会で住所変更が確認されると「意思確認通知」が届きます。この通知を受け取ったにもかかわらず登記を拒否したり回答しなかったりすると、催告の端緒となります。催告を受ける前に自発的に申請または申出を行うことが、過料リスクを回避する最善の方法です。

よくあるご質問

住民票の住所変更をしましたが、それとは別に登記の申請が必要ですか?

はい、別途必要です。住民票の住所変更と不動産登記の住所変更は全く別の手続きです。市役所に届け出ても、法務局の登記は自動的には変わりません。お持ちの不動産の登記簿を確認し、現住所と異なる場合は変更登記の申請が必要です。

何年も前の引越しの分も対象になりますか?

なります。令和8年4月1日より前の住所変更も義務化の対象ですが、2年間の猶予期間があります。施行日以前の未登記分も含め、令和10年3月31日までに申請されることをおすすめします。

引越しを複数回しています。すべての変更を登記する必要がありますか?

現在の住所への最終的な変更を登記すれば足ります。途中の経由地の住所をすべて登記する必要はありません。ただし、過去の住所変更の経緯を証明するために、戸籍の附票が必要になる場合があります。

「スマート変更登記(検索用情報の申出)」とは何ですか?

生年月日等の情報を法務局に申し出ることで、法務局が定期的に住基ネットを照会し、住所変更があれば職権で登記を更新する仕組みです。令和7年4月21日からオンラインまたは書面で申し出ることができ、一度申し出ておけば将来の住所変更にも自動で対応されます。当事務所でも申出の代行が可能です。

過料は必ず科されますか?

いきなり過料が科されるわけではありません。登記官がまず「催告」を行い、それに応じて申請または申出をした場合は過料通知は行われません。また重病・DV・経済的困窮などの「正当な理由」がある場合も過料通知は行われません。まずはご相談ください。

法人(会社)が不動産を所有している場合はどうなりますか?

法人の場合、「会社法人等番号」を不動産登記簿に登記しておくと、商業・法人登記システムから自動的に情報が通知され、職権で住所変更登記が行われます(令和6年4月1日から対応済み)。令和6年4月以前から不動産を所有している法人もオンラインで簡便な申出ができます。

相続登記とあわせて住所変更登記もお願いできますか?

もちろんです。当事務所では相続登記と住所等変更登記をあわせてご依頼いただくことが多く、書類収集代行込みでご対応しています。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。

>>相談時間や相談方法など、その他の「一般的なよくあるご質問」については、こちらをご覧ください。

まずは初回無料相談から。今日が一番早い一歩です

「こんなことを聞いていいのかな」という段階でも大丈夫です。「どんな書類が必要か」「費用はいくらか」「自分の場合はどうなるか」——こうした初歩的なご質問にも、丁寧にお答えします。

相談者
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何年も前に引越しをしたままで、登記を全く変えていません…。今からでも間に合いますか?
はい、まだ十分間に合います。猶予期間中に対応すれば過料の対象にはなりません。まずは現在の登記簿の住所を一緒に確認しましょう。
司法書士
司法書士

当事務所は気仙沼市・南三陸町・陸前高田市・大船渡市・一関市周辺を中心に、宮城県・岩手県の皆様のご相談をお受けしています。電話・メール・LINEのいずれからでもご相談いただけます。まずはお気軽にご連絡ください。

 本記事の情報について

本記事は投稿時点における法令・税制に基づいて作成しています。税法や不動産に関する法律は頻繁に改正されるため、記事の内容が現時点の情報と異なる場合があります。実際の手続き・申告・判断に際しては、必ず最新情報を国税庁・法務局・各市区町村の窓口でご確認いただくか、税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。

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司法書士 岩渕一徳

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